ある食卓の風景

楽しい食卓

母親ができあがった料理を台所の食卓テーブルの上に並べていると――

「お腹すいた～」

部屋着に着替えた男の子がお腹を両手で押さえながら台所に入って来た。

「もうゴハンできてるよ～
早く座りなさい。」

「はぁ～い!」

男の子は自分専用の脚の長い椅子に腰掛けた。

料理を並べ終わった母親も男の子とはテーブルを挟んだ向かい側の椅子に座る。

「わぁ 美味しそ～」

男の子は目の前に広がる料理を見て瞳をキラキラと輝かせた。

大きめな具が浮かぶシチューに、
ハンバーグの上には目玉焼きが乗っている。

どちらの皿からも出来立てだということを主張するように湯気が立っている。

嬉しそうな表情で料理を眺めていた男の子だったが、
不意にその表情が曇った。