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元彼に出会わなければ私は今も結婚式場で働いているんだろうか。
そんな事考えてもしかたないけれど…
「すごいなぁ!でもお父さん寂しいやろからたまに帰ってきたりな?」
「こっちにはお姉ちゃんがいるから」
「そやけど…あっそぅや!さっちゃんまた後でね」
彼女は私の肩をポンと叩くと「沙奈ちゃん!ちょっといい?」と奥の方へ声を張った。
奥から顔を出したのは愛想良く微笑むお姉ちゃん。
私は煙草だけ持ち家を出た。
玄関を出て石段に座るとため息が自然と零れる。
沙奈と幸。
私達姉妹は対照的な女だと思う。
明るくていつも誰かの中心にいる姉。
誰かの後ろをついていく妹。
勉強もスポーツもできて生徒会なんか仕切っちゃう姉。
成績表はよくて3止まりの妹。
'いいなぁあんなお姉さんがいて'
'自慢のお姉さんやね'
小さい頃から何百回と言われた言葉。
そぅ言われる度、誇らしくて…いつも優しくて綺麗なお姉ちゃんは私の憧れだった。
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