第一章

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彼女と違って私は元々この街に愛着なんてない。 遊ぶ所はないし交通の便は不便だし… 何より知り合いばかりに囲まれたここが息苦しかった。 一生勝てない人がすぐ横にいる生活に嫌気がさしていた。 だから私はこの街を出た。 勝てないならお姉ちゃんと違う事をしようと思った。 ここに居続けるお姉ちゃんには経験出来ない事をしたかった。 家を出たあの日、眉を下げ心配する両親に悲しむお姉ちゃんを背に私は笑っていた。 新しい生活にただ浮かれていたんだ。
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