第一章

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前の店…カルナは打ち解けすぎたと今は思う。 始めから仲良くならなければ…あんなに暖かい店でなければ…私は舌を出して今も悠々と生きていると思う。 私は大切な人の為なら手を黒に染めれる。 でも今も胸が痛いのはその場所がカルナだったから。 あんな罪を犯した自分が惨めで悔やんでも悔やみきれない。 部屋のチャイムがなり今日一人目のお客さんが来た事が告げられた。 「沙奈ちゃん会いたかったよ」 「亮くん…私も」 ドアの前で恋人同士の様に抱きしめあう。 私は今から亮くんの彼女になる。 120分6万3千円。 彼はその金額で私の時間を買う。
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