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「じゃあね。また来るから」
「うん」
ギュッと抱きしめた後亮くんは私の頭を撫でる。
いつから始まったのかは忘れたけれど彼は最後にそうして帰っていく。
ここがソープでなければ本当の恋人同士の様だ。
ただ欲求を満たしたいお客さんもいれば亮くんみたいに一時でも恋人ゴッコをして心を満たしたい人もいる。
そのどちらにも対応するのが私の仕事だ。
片付けをすませ時計を見るとお昼の2時。
今の内に食べとくか…
この仕事を初めて食欲は自然と落ちた。
でも何かしらお腹に入れておかないとプレイ中に吐き気が起こるし体力ももたない。
仕方なくと言った感じで別に食べたくもないコンビニのオニギリをかじる。
空いている左手で携帯を開くと着信が8件。
父さんとお姉ちゃんからだった。
それだけでただ事ではない気がして慌てて父さんに掛け直すと彼は予想外に冷静だった。
冷静な口調で母さんが事故に合ったこと事を告げたのだ。
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