最期の現世

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「よし、じゃあ帰って待ってる」 桐生がエムハンの中を眺めてそう言うと、 「いや、もうお前のアパート」 「は?…ああ、鍵開けたままだったか」 いつものことである 「なら酒屋寄ってから帰る。金はあとでお前らでワリカンしてくれよ」 「自分で買って払わんのかい」 電話の奥でケチさに苦笑された 「じゃ、あとで」 桐生が電話を切ろうとしたが、 「待て。酒屋ってエムハンのすぐ近くのとこだろ?酒の注文するから電話繋げとけ」 電話を切らないまま、桐生は交差点に戻った
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