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「郁美ちゃん、急にごめんね、彰ったら、勝手に、さっさと決めちゃうから。」
「私は、大歓迎です♪
あ、そうだ…
X'masは、ありがとうございました。
和樹と、楽しい2日間、過ごせました。」
「それならよかった。あれも、急だったから…。
おかげで、あたしも、仕事、年越さないで、年内に出来上がったから。
来年の新刊、楽しみにしててね。」
「はい♪」
「…えっと、こちらのお嬢さんは?」
「早苗さん。和樹の大学の人で、亀山君の彼女さんだよ。
早苗さん、この人は、千秋さん。今日、呼んでくれた速水さんの奥さん。」
「こんばんは。はじめまして。ご紹介に預かりました吉水千秋です。
あたしのことは、千秋でいいわよ。」
「はじめまして。あの…吉水って、もしかして…小説家の吉水千秋さん、なんですか?」
「ええ、そうよ。」
「本当ですか!嘘みたい!…あの、私、ファンなんです。本…全部、読みました。一番好きなのは、『LOVE LETTER』です!」
「本当に、早苗さん。じゃあ、私と同じだね。
千秋さん、また、一人、ファンをゲットですね。」
ガッツポーズをきめる郁美に、千秋さんは、笑っていた。
「ふふふ…そうね。」
戻ってきた亀山を、僕は、無理矢理、隣に座らすと、手を回して、肩を組む。
「…なあ、亀山ぁ。親友の僕に、早苗のこと、隠すなんて酷いなぁ。」
「隠すつもりじゃなかったんだけど…早苗が、気にしてたんだよ。
ずっと、お前に、纏わり付いて困らせてたのに、俺と付き合ってるって、知られたらって…。」
「…そっか。なら仕方ないか…難しいだろ…女って…変に割り切りよかったり、逆にいつまでも、うだうだ、言うし…。」
「うん…最近、お前の苦労が、ちょっと、わかるようになったよ。
…今も、お前に、ばれたって、玄関先で…はぁ…疲れるな。」
「でもなんで、早苗な訳?
普段、智世と仲いいから、付き合うんなら、そっちだと思ってたんだけど。」
「ああ、ダメダメ…智っちの理想、高いから…。
彼女のすべてを、包み込める包容力のある男か、彼女の心を、わしづかみにするぐらいのできる男じゃないと、ダメなんだってさ。
それに、智っちには、仲間感覚強すぎて、恋愛感情湧かないんだ…。」
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