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家に戻るためさっき来た道で帰っている途中違和感がある物をみつけた。赤い本だ。
一見なんともない本だが他の人は目もくれていなかった。そんなことを考えていると動きが止まっていたため雛が声をかけてきた。
「お兄ちゃん?どうしたの。早く家に帰ろうよ?」
「いや、あれなんだろうなって…考えていたんだがよくわからなくてな」
俺は指を指して本の存在を教えることにした。見えないとか言われたらかなり怖いが調べる必要があるから気が進まない。
「んっ?えっと、あの本のこと?確かに変な本だね他の人には全然みえてないみたいだし」
……えっ?他の人にみえてないみたい…だと!?それじゃ、見てみぬふりじゃなくて、俺たちしかみえてないってことだよな?うわっ、関わらない方がいいな。
「あっ、買い忘れがまだあったな。今の内に買わないとー」
雛を引っ張りまた戻る。しかし、いつもならとっくについているはずなのにつく気配がしない。
まさかと思い財布から野口さんを一体道のど真ん中においてみた。
そして歩いてみると奥に先程置いたはずの野口さんが見えてしまった。それを回収し、深い溜め息をついていた。どうやっても関わるひつようがあるようだ。
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