16人が本棚に入れています
本棚に追加
龍二は覚悟を決め雛にむかってこういいだした。
「……さて、戻る事が出来なくなったんだが俺はあの本が原因だと思う。あれがなんだかわからないが調べるしかないと思うんだ。なにが起こるかわからないから俺から離れるなよ?」
うん。と頷き軽く俺の服を握りしめている。やっぱり怖いのだろうと思った。というか俺も怖い。なにが起きるか全く予想がつかないから。
本があった所にはたった一分程でついた。そして、決心が鈍らない内に本に触れた。そして、予想通りに本はある変化をもたらした。
激しい閃光が放たれると龍二は目を閉じ、雛は龍二の背中に隠れた。
【………開始。無属性魔術転送発動。検索……周辺に二名の生命反応を確認……。規定通りに転送…………】
「な、なんだ……?なにが起きているんだ?魔術?どういう事だよ畜生!!」
覚悟はしていたがやっぱり理解が出来てなかった。そしてこんらんしているうちに足元になんかの陣が展開されていた。
「お、お兄ちゃん……怖いよぉ……ッ!」
「大丈夫。なにがあっても───」
最後まで言うことは出来ず龍二の意識がとぎれた。そしてそこには本も無ければ龍二や、雛の存在も見当たらない。あるのは手に持っていた買い物袋だけであった───。
最初のコメントを投稿しよう!