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が、我慢する。
むせたりしたら、彼らが気を悪くするかも知れ無い。
「来た来た」
笑顔で真向かいに座るのは、始めに詩織に町で声を掛けて来た、真人だ。
隣に座って居るのは、最近真人が発掘(彼の言葉を其のまま使えば)したまだ高校生の優菜である。
彼らの周りには詩織の顔の知ら無い男女が4人程いる。
真人は何が嬉しいのか、声を出して笑っている。
側に居た、男が、詩織を見ながら真人に言う。
「全然綺麗じゃん。
マゾって聞いてたから、どんなのが来るのかって思ってたら」
「馬鹿、どマゾだって」
笑いながら真人が答える。
そして傍らにあった、ジュースの入ったペットボトルを取って、詩織に言う。
「喉渇いたよな」
詩織は、黙って頷く。
其のまま、真人は、ジュースを床の上にこぼした。
「詩織はこうやって飲むと興奮すんだぜ」
頷いて、床に這いつくばる。
舌を伸ばして、犬の様に、床にこぼれたジュースを掬う。
部屋が揺れる程の笑い声が上がる。
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