脱☆ニート

6/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
そりゃ車の免許証あれば移動も便利だしね。 お金を全て趣味に使っていた俺に車の免許証などを取る隙はなかった。 持っている資格なんて、漢検3級ぐらいだっっつうの! 「もう俺は社会おろか、人間にも復帰できないのか…」 などと自分でもよくわからない言葉を吐いていた。 正直、どうでもよくなっていた… ーピロリロリン♪ー 静寂の打ち破る音がした。 携帯電話のメール音だ。 友だちからの連絡も途絶えてる今、メールが来るのは出会い系とかイタズラメールくらいだけ。 いつもらしく、とりあえずスルーしようと思ったがスルーしたくてもジョニー(ノートパソコン)がいないので暇潰しついで程度で見ることにした。 「…ん、父さんから?」 俺のアドレス教えてたっけ?と疑問を残しつつ、内容を開く 『今、定員が割れたバイトがあれ。何もしてないならとりあえず面接を受けろ』 と半ば強制面接のメール。 ってか『バイトがあれ』じゃなくて『バイトがある』だろ? 入力ミスかな? 「つか、やっぱり心配してたのか…」 会話が無くなったこの家族において、久しぶりであろう会話?が、この選択肢のないメールである。 昔の俺なら、うっせ!で終わる。 でも意外と悪い気はしなかったし正直言うと、ちょっと嬉しくなったから強制面接を受けさられる息子のフリをすることにした。 (あとになって聞くと母さんはハローワークに行ってたこと知っていたらしく、父さんに相談したみたいだ) 3月20日 面接当日 …遅刻した。 父さんが書き残したメモみたいのを見て来たけど、字というか絵が下手くそ過ぎて(自分も言えたぎりじゃない)、予定時間の30分遅刻していた。 面接会場についたが誰もいなかった…それはそうだろうね、説明会込みの面接だったらしいし。 ヤバい、これはさすがにヤバい! 父さんと母さんになんて言おう…父さんは働くチャンスを与えてくれたし、母さんは朝はハイテンションで送り出してくれていた。 ああ、どうしようマジで! 会場で焦っているとしばらくして一人のおっさんが入ってきた。 「あれ、君は…今川さんの息子さん?」 「あ、はい」 作業服を着たおっさんに素直に答えていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!