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「全く心配かけやがって。頭、包帯ぐるぐる巻きじゃねぇか。様になってんぞ。」
と、もう一人の男がヘラヘラした顔で言う。
少しイラついたが、どうやらなにも気づかれてないらしい。
隣の女も、少しヘラヘラしながら、
「斉藤君、確かにそれ言えてるぅー。」
否定してくんないのか。
そんな事より、ヘラヘラしていた男の名字が『斉藤』だということが分かった。
しかしここで、よぉ、斉藤お前も元気だったか、などと言うと、周りの奴らにも平等に話さなくてはならない。
もし、記憶があった頃の俺が、斉藤と呼ばずに、名前で呼んでいたら、その時点で、なかなか危うい状態に陥る。
ここは、少し様子見といきながら、帰らせる方向でいこう。
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