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そして、その場が凍りつく。
この部屋で、笑顔を保っているものは、いなかった。
再び沈黙が訪れる。
さすがの、金澤でもこの沈黙を破ることはできない。
この沈黙は一生続くような気さえした。
が、意外にもこの沈黙を破るのは、霧羅咲千波だった。
「この部屋から出て行って。」
この部屋で、笑顔を保っている者は、いるはずもなかった。
この部屋に、再び会話を取り戻すには、あまりにも不適切な言葉だった。
やっとみんなの頭にその言葉が入ったのか、姪夜夏夢が、
「それ、どうゆう…」
「この部屋から出て行って」
さっきと同じ口調なはずなのに、その言葉は強みを増す。
この部屋に会話を取り戻すのを諦めたのか、怖くなったのか 、3人は黙って出て行こうとする。
俺も、頑張ってベッドから起き上がろうとすると、
「ふざけないで」
さっきよりも、声を荒げる。
出て行こうとした3人は自分達に向けられたのではないことを確認すると、出て行った。
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