プロローグ

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俺は、ビルや店が建ち並ぶ道を歩く。 もう夜中だというのに、自然に属さない光が止むことはない。 そんな光は空を濁し、人を集める。 その、光に集まる人の様を見て、『蛾』のようだといつも思う。 蛾と人は光を追い、光に集まる。 それが、本来あるべき姿なのだ。 だが、中には光を見失ったのか、追うことをやめたのか、狂った奴らがいる。 そいつらは、生きることに絶望し、人生を諦める。 人生を諦めた奴らは要するに、壊れた(光を追うという機能をうしなった)わけだから、何をしてもおかしくはない。 自殺だってするし、犯罪だって犯す。 その場合には、自殺でおとなしく死んで、犯罪という周りを巻き込む選択肢はとってほしくない。 まぁ、それは周囲の環境がそういう奴らを作りだすのだから、その環境に関係があった奴らが被害を受けてもしょうがないのかもしれない。 そして、その自殺と犯罪の選択肢の選び方は、 勇気が無いものが自殺。 勇気が有るものが犯罪。 ただ、それだけ…。
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