2章

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あっ、そうだ。神那 希咲っていう人について書いてあるかな? 神那 希咲 同じクラスの女子。 タンクトップは分からない。 はい。もう、意味が分からない。疲れたからって、タンクトップに依存するな。タンクトップはそんなオールラウンダーじゃない。 あり? なんか……。 ガラガラ 「おはようございます。今日は、退院の日ですよ。」 乾いた太陽が照りつける。 日陰に戻りたかったが、後ろで看護婦さんや先生が手を振り、見送っているので、戻るにも戻れない。 そう。退院したのだ。 病院の人達は、俺のためを思って退院させたのだ。 しかし、俺にとっては苦痛でしかない。 なにも思いだせないのに、これからどうすればいいのか分からないのに追い出された。 無装備で、灼熱の砂漠に放り出されたのと同じぐらいの絶望感だ。 大げさではない。本当にこんな感じなのだ。
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