プロローグ

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呼び込みをしているオッサンをすり抜け、道を左に曲がる。 こういう、明るいところこそ裏に行けば暗いもなのだ。 少し歩いただけで、人は全くと言っていいほどにいない。 街灯も、道があるということしか示していない。 周りを見て、どんな建物が並んでいるのか分かるまで時間がかかりそうだ。 しかし、いつ通ってもこの道は怖い。 早くここから、抜け出そうと歩を心なしか早めているような気がする。 ゴツッ。 「っ!!……」 突然、頭に衝撃が起こり世界がぼやけ、揺れる。 闇に染まっていく世界の中で、見た。 二匹の蛾を……。 そして、完全な闇が訪れた。
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