黒き病室

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頭が痛いのを我慢して、ドアの方へ時間をかけて首を曲げる。 ガラガラ バンッ。 まだ数十秒も経っていないのに、ドアが開き、白衣を着ている人とさっきの人が入ってきた。 白衣の人がこっちに近づいてくる。 そして、白衣の人がしゃがみ、目線があった。 あってしまった。 しわしわで、生気のないオッサン。 瞼を開かなかったらよかった。 オッサンのカサカサな唇が開き、 「君はここがどこだかわかるかい?」 さっきから、なんの質問をしているのか分からない。 困った顔をしていると、 「うん、そうだね。ここは、病院。君は事故にあって、ここに運ばれてきたんだよ。だから君は今、ベッドで寝ているんだ。」 そうなのか、ここは病院なのか。 でも、なんで病院にいるんだ? 事故にあった? 「その様子を見ると、なにも覚えていないみたいだね…。」 重々しく口を開く。 「君は、事故のせいで、記憶喪失になってしまったんだよ。」
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