11人が本棚に入れています
本棚に追加
「嘘っ、嘘っ、嘘……、嘘よォォォー。」
「うるさいっ。」
さっきから何なんだこの人は。
「うるさいって君、この人はお母さんなんだよ。君が起きるまでずっと君のそばにいてくれたんだ。忘れてしまったとはいえ、少しは考えてもよかったんじゃないかい。」
と白衣の人いや、ここは病院なのだから医者だろう。
医者が言った。
そうか、お母さんだったのか。
確かに考えれば分かったかもしれない。
悪いことをした。
謝ったほうがいいかな。
「おかあ…さん。ご…」
「五口がお母さんのこと思い出してくれたぁー!」
あぁ、もう違う。
この人は本当にぼくのお母さんなのか?
お母さんなんだよな…。
お母さんのことはしばらく放置しておきたいけど、教えてもらはなきゃいけない。
「あのぉー、そろそろ教えていただけないでしょうか?僕のことと、なんでこうなってしまったかを。」
お母さんは、ジッと僕のことを見つめる。
「まず、敬語はやめなさい。『いただけないでしょうか』なんてあなたの口から聞いたことないもの。」
最初のコメントを投稿しよう!