黒き病室

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「嘘っ、嘘っ、嘘……、嘘よォォォー。」 「うるさいっ。」 さっきから何なんだこの人は。 「うるさいって君、この人はお母さんなんだよ。君が起きるまでずっと君のそばにいてくれたんだ。忘れてしまったとはいえ、少しは考えてもよかったんじゃないかい。」 と白衣の人いや、ここは病院なのだから医者だろう。 医者が言った。 そうか、お母さんだったのか。 確かに考えれば分かったかもしれない。 悪いことをした。 謝ったほうがいいかな。 「おかあ…さん。ご…」 「五口がお母さんのこと思い出してくれたぁー!」 あぁ、もう違う。 この人は本当にぼくのお母さんなのか? お母さんなんだよな…。 お母さんのことはしばらく放置しておきたいけど、教えてもらはなきゃいけない。 「あのぉー、そろそろ教えていただけないでしょうか?僕のことと、なんでこうなってしまったかを。」 お母さんは、ジッと僕のことを見つめる。 「まず、敬語はやめなさい。『いただけないでしょうか』なんてあなたの口から聞いたことないもの。」
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