黒き病室

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やっと、気が落ち着いたみたいだ。 さっきまでは、僕の事故やそれに重なり寝不足のせいで、自分の気持ちが制御できなかったんだろう。 やっぱり、僕のお母さんだ。 「お母さん、僕のことと、事故のこと教えて。」 「う~ん、本当は『僕』じゃなくて、『俺』なんだけどね。」 まぁいいやと言って、小1、2時間ぐらいで僕、いや俺の忘れた記憶の復帰のために頑張ってくれた……。 話しが終わった。 頭の中がなにも描かれていないからなのか、お母さんの話し方がうまかったのか、スンナリと頭に入ってきた。 名前は、布津五口(ふつ いづこ)高校一年生。 成績は、わりと良いほうらしい。 友達は多く、明るい子。 その後も、いろいろ俺のどうでもいいことを話し続けてきたけど、その辺は省こう。
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