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「言ってよ…好きな人がいるんでしょう……?」
「………ああいるさ」
俺は諦めて口を開いた。
「どんな子?」
「ん~…可愛い子、かな」俺はそう言って頭をぽりぽり掻いた。
だって一番思ってることだからな…
「ふぅ~~ん……」
「あ…あとは言えない」
「ねぇ、その子に会わせて?」
は……
会わせて、って。
いやいやいや、今目の前にいますけど。
……なんて言えないから、「う~ん、難しいな」
それだけ言ってやった。
「え…何で」
「優夜に会わせる事はできないんだよ」
俺がそう言うと、優夜は唇を噛み締めて睨んできた。「な……っんで。お兄ちゃんは…そうやって隠すの」「隠してるわけじゃ……」そして優夜は涙をぽろぽろ流し始めた。
ああ……もう、そんな顔されたら俺がすごく悪い奴みたいじゃないか……
……言おうか。
本当のことを言おうか。
…………もう、仕方ない。
伝えよう、俺のこの気持ちを…
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