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「それじゃあ香与お姉ちゃん、ゆっくり入っててね」
わずか一枚の扉の向こう側には隼人がいる
「隼人‥まだ起きてたのか?」
「あ、うん
香与お姉ちゃんが帰ってくるのが遅かったから‥ちょっとだけ心配になっちゃってね
でも、何事も無く帰ってきてくれて安心したよ
おかえりなさい」
‥この幼い主は‥どこまで私の心を奪っていくのか‥
ふふっ‥少しだけ意地悪をしたくなったな
「隼人」
「何?」
半透明の風呂場の扉の前に立つ
おそらく隼人側からはボンヤリと肌色の‥私の身体のシルエットが見えているハズ
「わわわ、香与お姉ちゃん!?
出る所だったの?
ごめんね
僕、今すぐ部屋に戻るから‥」
「そこにいろ‥教わらなかったか?
人と会話をする時には相手の目を見て話せって‥
私は隼人の目を見て[ただいま]と言いたいんだ」
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