とある魔王様の登場

2/2
402人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
「フハハハッ、怯えろ竦めっ! 我は魔界の王なるぞっ!」  魔王城の最深部、王の間に両手を大きく広げて高笑いする怪物がいた。  見るもの全てを凍りつかせるこの世のものとは思えない恐ろしい形相。  常人なら近づく間もなく気を失う程の威圧感を持った、邪悪なオーラと膨大な魔力。  その存在を、人々は畏怖の念を込めてこう呼ぶ。 「……部屋薄暗くして一人で何やってるんですか、魔王様?」 「うむ。少し暇だったので、勇者が来た時の予行練習をしていた所だ」  魔族を統べし残虐なる王――通称『魔王』と。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!