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気付いた途端、俺を誘い込むように辺りから旨そうな匂いが漂って来る。その匂いを辿って俺は歩き出す。
そして、暫く歩き続けるとそれらしき店の前に辿り着いた。店の前に立ち尽くしていた俺が、往来の邪魔になっていたのには気付かず、道行く人が俺にぶつかり、その衝撃と共に俺は意識を手放した。
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「…………ぃ……………ぉぃっ………………おいっ!!」
誰かが、俺を揺り起こす。
(……………俺のこと起こしてんのは………誰だろう……)
未だ覚醒しない意識の中で、俺は朧気にその声を聞いていた。
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ヴァチィッ!!!! と、俺は勢いよく目を開けた。
「おぉ!!気づいた?!こんな所に倒れているから驚いたよ!!どうしたんだい??」
少し身なりの良さそうな兄ちゃんが俺を覗き込む。
(……誰だろう…この人……)
心配そうに俺の顔を覗き込むその人の顔を、俺はマジマジと見つめた。
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