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「全速力なんて分かってるよ！」
「がんばれ、体育２」
何故、私の成績知っているんだ優太。
いいよ、いいよ。
全速力、ダイエットになるし！
うん、ポジティブに考えるんだ、私。
「じゃ、行ってくる！」
そう言って、私は走り出した。
雪奈が、屋上を出たとたんに、武琉は笑い出す。
「あははっ、優太も、たまには雪奈ちゃんを勝たせないと」
「いや、武琉。あいつ、ワンテンポ遅いんだよ。じゃんけん。なんで、ワンテンポ遅いんだろ。体育２だからかな」
「いや、じゃんけんに体育は関係ないって……あれ、雪奈ちゃん」
……財布を忘れて、取りに来たら。
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