<4>リベンジ

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女王陛下の遺体は、見つからなかった。 粉々になった世界の破片の中から、魂の欠片を集めて、再構築するのにエルフの力を借りた。 エルフはかねてより不老不死と復活に関する研究をしており、様々な種族、様々な状況・状態における、実践的技術に詳しかった。 「愛しい方の面影、性格、言動、可能な限り思い出してください」 姫とはそのような関係ではないが、反論も疲れるので、魂の処置は錬金術士任せだ。 ハイハイ、と頷き、姫…女王陛下の人魂だけは形を取り戻した。 生け贄に攫った竜の眷属の娘は、手足を祭壇に縛りつけられ、さるぐつわを噛まされている。 祭壇の上でずっと唸って暴れている。 栗毛のスラリとした娘であるが、魔法騎士の婚約者よりも、余程腕が立った。 気性も根性も、女にしておくのが惜しいくらいだ。 フリギアで扇動役になった竜騎士は、聖弓に射られてしまった。 だが、エルフが死体を転移術で回収してくれていた。 女神の末裔は、相変わらずこちらを都合良く利用する意図しか感じられない。 しかし、エルフはまだ、対等に協力する態度が見られる。 手早く済ませよう。 復活の聖水を、生け贄に振りかける。
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