<4>索敵

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警備隊詰所に集結した警備士は6人。 市場に向かっている第二位の幽霊騎士マックスウェル、第三位の狂戦士イリヤと番外に任命されたばかりのモリガンの3人を除く。 「モリガンが入って、惑星の数と同じになったな」 「じゃ、ノーベルが火星」 「私、金星」 「僕は水星」 「お前は冥王星だろう」 警備士たちは皆、イリヤ以外は2つ以上の惑星霊を使える。 必ずかぶる二つ名の取り合いに生産性は無い。 黒ずくめの術士服の紳士、警備士長ブラッグが、大きな鏡を静かに運びながら入室して、上座に立った。 淡々としたバリトンで、長身の魔導師は切り出した。 「諸君、作戦は理解しているな」 第五位、中年の無精髭銃士ノーベルは親指を立てて、片目を瞑ってパンクに舌を出した。 第四位の紫の魔女、呪術師マリアは、独り言を言いながら、スケッチブックに何か描いている。 エルフである第六位の吟遊詩人バートランドは、手鏡を熱心に見てキメ顔を探している。 最下位、第八位の毒師ロスは、暗い表情で何か言ったようだが、聞き取れない。 「はい…」 第七位の魔法剣士アリスン=ファングは、カッチリした詰襟で、凡庸に回答した。
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