<4>索敵

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「ならば、作戦を開始する。 これ、壁に掛けてくれたまえ」 身長より大きい鏡とアリスンが格闘している脇で、ブラッグは、内職中のマリアのスケッチブックを取り上げ、ブックの背で彼女の脳天をチョップした。 慌てて、バートランドとロスが、鏡の設置を手伝い始めた。 ノーベルは、腕組みして大鏡を眺めた。 「ガラスの鏡で、遠視できるのか」 「モンテーギュから借りて来た。最新の研究成果だそうだ」 鏡の設置はすぐ終わった。 涙目で脳天を擦りながら、マリアが千里眼を開始した。 鏡を指して念じると、市場の戦いの様子が映し出された。 「こりゃ便利だ」 声に出したはノーベルだけだが、他の若者たちも、少なからず感嘆していた。 「占い師が千里眼した視界を、他の者も直接見ることができる。  戦いは間もなく決着する。 バートランドは屋上で待機しろ」 ブラッグは、まだ膠着状態に見える、魔族との戦いの決着を断言し、次の作戦進行を宣言した。 「言うこと聞かねえヤンチャ坊主は、俺の魔法銃の餌食だ。気兼ねなくやんな、バート」 「フッ…」 前髪を指で払い、流し目エルフは、バイオリンを抱えて部屋を出た。
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