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「どうした、ファング」
「あ、いえ。音も入ると分かり易くていいなと思いまして」
「一理あるな」
ちょいちょい作業を止め、顔を上げて魔鏡を見る必要があるブラッグは、同意した。
「あ、また点いた」
再び、遠視映像が映った。
指先の仕事以外は、マリアは器用だ。
「山城か。つまらん」
バートランドが魔術師に喰われていた魂たちを一斉に涅槃へ強制送還するに逆らって、魔術師だけが向かう行き先だ。
ブラッグは、描き上げたばかりの魔方陣を使い、イリヤを先に市場から転移で呼び寄せた。
すぐにロスが手当てに入った。
アリスン師弟も、気絶中の焦げ臭い格闘家をソファーに移動するを手伝う。
ブラッグは、魔方陣を魔力で細かく調整している。
マリアが屋上から戻って来た。
「先生、虹が出ましたわ」
「そうか、こちらはもう良いな。
マックスには、現場を片付けてからモリガンと戻れと伝えたまえ」
索敵をしつつ、マリアは隊長席上の札を使った。
すぐ、屍少女ロザリンドが隊長室に現れた。
伝言を聞き、ロザリンドは自前の札で師匠を呼び、市場に戻っていった。
「決着は…」
イリヤが意識を取り戻した。
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