<4>復活

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エルフは逃げなかった。 召喚した騎士を竪琴で操り、イリヤを倒そうとして来る。 倒して、屍人形か、幽霊戦士として使うつもりかもしれない。 (エルフではなく、背後の御方が…) エルフは、あくまでも異種族の魂を召喚し、仮の肉体を与える召喚の力を持つのみだ。 (最初に竜騎士を召喚したのは、奴。だが、襲撃は失敗し、竜騎士の仮の肉体は霧散した。  眠れる女王の世界で、迷い込んだフリギアの王子を誘拐しようとした魔術師は、アリスンが作った魔方陣を通じて此方の世界へ来て、実体を持った。  それを、背後の御方に、察知され、捕らえられたんだ) 女神の直系と傍系では、霊的な知覚も魔力の強さも段違いだ。 イリヤは、不老不死技術の汎用化を目指す錬金術士と、狂信者集団の指導者の利害が結び付く先を想像した。 「それこそ、魔王の再来だ…」 召喚された虚ろな騎士は、次々と剣を繰り出し斬りかかって来る。 「…もう10歳若ければ… いや、20歳…」 さすがに息が切れてきた。 「くっそ~~!!!」 肉眼で山城を隅から隅まで探しきったアリスンは、兄夫婦をとうとう見つけられず、屋上で叫んでいた。
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