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「倫も、やる?」
「…え?」
「うん、それがいいよ!お迎え頼んだとかじゃないんでしょ?倫も一緒にやろうよ!」
急なお誘いにぽかんと口を開けて聞き返せば、
肯定も否定もしていないのに恵津子ちゃんは私の肩を掴んで私を教室へと強制連行した。
「う、わ…」
2、4、…12人…!
思っていたよりも人が多く、
急に人嫌いを発動した私は逃げたくなったが、
恵津子ちゃんがそれを許してはくれず、
クラスに一人はいるお調子者の男子(名前は知らない)に腕をひっぱられた。
…泣いていい?
お願いだから私のことなんかほっといておくれ。
ロッカーにでも保存してあるのか、お調子者君に
「ジュース3種とお茶があるんだけど倫ちゃんはどれがいい?」と聞かれ、選ぶのが面倒だった私は一番手前にあったお茶を指差すと、
いつのまにかあらわれた紙コップにそれは注がれ、
それが合図だったかのように
教室にいたほぼ全員が円になるように集まった。
…何、何すんの本当に。
「ね、ねぇ恵津子ちゃん、いったい何が…」
「さあ、みんな!やるわよ!」
円の中心に立った、恵津子ちゃん。
急に沸き上がる歓声。
「せーの、」
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