序章

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「王様だーれだ?」 …王様ゲーム? 何故、王様ゲームなんか選んだのだろうか? 恵津子ちゃんの言葉を聞き、一斉にみんな恵津子ちゃんの持つ紙コップから棒を引いていく。 残りは3本。 私と、恵津子ちゃんの分と、あとひとつ。 …誰のだろう? 「柏村、あんたも引きなさいよ」 柏村、だった。 柏村は幼なじみかといえば、そこまで仲がいいとか、そんなではないのだが、 小学校時代から、現在高校2年まで、何故かクラスはずっと一緒の腐れ縁なやつだ。 柏村はどちらかといえば、私と似たタイプの人間で、あまり人に近寄らない。 そんな柏村が、こういったものに参加するのは極めてめずらしく、私は柏村を見た。 「柏村?聞いてる?」 「…最後でいいよ。レディファーストだ。」 本から少しだけ目を反らし、それだけ言うと柏村はまた本に視線を戻した。 やれやれと恵津子ちゃんはため息をつき、私にくじを引かせ、自分もくじを引き、最後の一本を柏村に投げて寄越した。 あ、私、4番だ。
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