序章

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名前も知らないクラスメートの子がガッツポーズをとる。 「それじゃあ、2番と6番がポッキーゲーム!」 なんとベタなんだろうか。 どうやら2番、6番はお調子者君と、もう一人は野球部の子で、二人は悲鳴を上げていた。 「おっそろしい!何させんの!?ポッキーゲームすんなら女の子がいい!」 「それじゃあ罰ゲームにならないでしょ。いいからやりなさい」 「ひでぇ!いったいこんなん見て誰が喜ぶのさ!」 「私が喜ぶ!」 「てめぇえ!そういったフィルター越しに人のこと見んな!」 わいわい、がやがや。 聞こえる、 クラスメートの声が遠く聞こえる。 こうなると、どうにも居たたまれなくなって、私は後退りした。 「…帰るの?」 急に声をかけられ、びくりと肩が揺れた。 「か、帰らないよ。だってこの雨だし」 声をかけてきたのは柏村。 相変わらず、視線は本に釘付け。 「じゃあ、なんで廊下に行こうとしてんの」 「そ、それは…と、トイレだよ…!」 咄嗟に嘘をついてしまった私は、トイレに行かざるをえなくなり、 トイレにむかった。
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