恋雲

4/12
812人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
弥一さんと冬井さんの記憶以来、何も思い出せないらしい。 「全く」 陸弥くんは肩をすくめた。 「……そう」 「もっと知りたいんだけどな、自分のこと」 弥一兄さんのこと、兄さんのこと。他にもいっぱい忘れてるだろうから。 ――パンパン 「朝から空気が重いわよ」 陸弥くんとアカリと三人で屋上にいることが多くなった。 「アカリ!」 「今日雨降りそうね…」 「チャイムも鳴りそうだし行こっか」 雲行きが怪しい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!