25人が本棚に入れています
本棚に追加
あ、思い出したら何か泣きそうになってきた。
「んー?まぁ、アレだよ。暗黙の了解と言いますか」
目頭を押さえながら智央に答える。
『いや、意味わかんねーからwww』
と電話口の奴が答えてきやがったのに無性にイラつく。
今まで寝てたのか、擦れた低い声で奴が笑う。
「……まだ寝てやがったか、社会のゴミが」
「あ~弥生ちゃん悠斗と電話してたのー」
のほほんと笑った智央にあたしも微笑みを返す。
智央の笑顔を見ると、ささくれだった心が浄化されていく感じがした。
『ちょっ!高校生が土曜の11時まで寝てて何が悪い!?深夜までネットだのゲームだの一見、人生の無駄だと思えるが言い知れぬ充実感、己を満たす確かな………………』
電話口で奴が何か叫んでいた気がする。
朝から元気な。
『…………て言うか智央!お前の中では社会のゴミ=オレなんか!?』
む、聞き捨てならんな。
「社会のゴミが智央様をお前扱いしてんじゃねぇ!!」
『え、敢えてのそっち?!』
とっとこー♪
…………。
「ちっ、てめえの相手してやってる暇ねぇんだよ。今すぐ原チャ乗ってあたしんち来い。5分以内」
『え、ちょっ不可能……』
プツッ ツー ツー……
馬鹿に構っててすっかりメリーさんの存在を忘れていた……。
智央なんかあたし達が騒いでる間に人ん家で本格的なクッキングに励んでるし。
クッキーかな、智央料理上手いから楽しみ楽しみ。
だぁ~いすきなのは~♪
……これ、出なかったらよくね?
最初のコメントを投稿しよう!