序章。

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例えば人の人生は一冊の本で 人は毎日その本に書いて書いてとせがまれて インクまみれになった手でペンを掴み 笑いながら、 怒りながら、 悲しみながら、 人は本に笑顔を向け、 本を叩きつけ、 本に涙を流すのだとしたら。 私は始めからペンを持たなかった汚れてない右手で太い筆を掴み 真っ白な本のスペースをいくら使おうと構わずに 堂々と描いてみせよう。 ’終わり’のこれからを…。 私はようやく、白うさぎを追い掛けた。
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