9417人が本棚に入れています
本棚に追加
「何言ってんだよ!影都はそんな奴じゃ……」
「なら菖蒲様はこいつの何が分かると…?」
「っ……!」
親衛隊の問いかけに答えられない姫乃。当然だろう、今まで友達の事を知ろうとはしなかったのだから。
言葉を詰まらせて黙り込む彼に、薄気味悪い笑みを浮かべる親衛隊。
「分からないなら庇う必要はないでしょう?彼は最悪な親に産まれた最低の子供なんです、お優しい菖蒲様が情けを掛ける必要なんかないんですよ」
「…………でも」
「いい加減分かって下さい、お人好し過ぎるのはどうかと思いますよ?」
中々認めようとしない姫乃に苛立ったのか親衛隊は冷たい言葉を述べる。それを境に俯いて黙り込んでしまった。
「姫、乃………」
「お前みたいな汚れた人間が菖蒲様に話し掛けるな」
庇ってくれたのが素直に嬉しかったからお礼を言おうとしたら親衛隊に遮られた。真正面から人にそう言われたのは久しぶりで、やっぱり…かなり胸が痛くなる。
「…俺…が、皆……説得する……」
「はっ!そうやって油断させといて菖蒲様の所為にするつもりなんだろ?」
親衛隊は鼻で笑いながら逃がさないとばかりに詰め寄ってくる。掴もうとする手が直ぐ目の前がきた時、バシッとそれは叩かれた。
「菖蒲、様……?」
姫乃の手によって
最初のコメントを投稿しよう!