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「俺、気にして…ない……そこまで、されても…嬉しく…ない……」
「…………」
「……二人が謝る、それで………いいから」
痛い目に合うのも、苦しい目に合うのも、辛い目に合うのも……全部全部、俺がよく分かってるつもり。
だから、二人はこのくらいでそこまでされる必要はない……と思った。
そんな事を考えているといきなり宗くんが抱き締めてきた。
「影都、優しい…お前は優し過ぎる!そんな事言ってたら偽善者と言われるかもしれないぞ?
だがその優しさがあってこそ癒し系になれるんだろう、よしよし…お前の願いなら仕方ない!一週間の停学で勘弁してやる」
「宗くん……恥ずか…しい……」
人前で抱き締められるなんて、うぁぁ……恥ずかしい…!
「………」
「………」
解放された二人が俺の前にやってくる。宗くんもそれに気付いて抱き締めるのをやめてくれた。
「えと………その、ありがとう……あとごめん」
「俺達が悪かった…」
何故か知らないけど、幾分か優しくなった気がする二人。謝ってくれた二人に俺は柔らかい笑みを浮かべる。
「ん…!許す……」
「………(あれ、可愛い…)」
「………(何でだ!姫乃より可愛く見えてきた…!)」
影都の癒しオーラが伝わったのだろうか、二人はそれから姫乃に対しての執着心はなくなったらしい。
余談だが、さすがにホスト教師は許せなかった影都は宗太郎に全て任せた。彼がどうなったかは怪しい笑みを浮かべる宗太郎しか知らない。
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