諦めたい……のに…

3/10
前へ
/293ページ
次へ
暫く宗くんの会話(俊達からすれば軽く拷問)が終わり、その後は風紀の皆と楽しく喋った。あの時以来、兼と悟とも大分仲良くなれた。 俊達はあまり、仲良くなれないみたいだけど…… その後は何もなく楽しい時間が過ぎた。でも、やっぱり心の何処かで会ちょを求めていた。 「どないしたん?暗い顔して…また何か嫌な事あったん?」 部屋が近い俊と寮へ歩いていると俺の顔色が悪かったのか、心配そうに顔を覗き込む。 「だいじょ、ぶ……」 「…カゲ、俺カゲの事大好きなんやで?」 「っえ…!?」 勿論、俊が言ってる事は友達として……なんだけど…こうストレートに言われるのは……慣れない。 「カゲが幸せになりたいんなら協力するし、カゲが悩んでるなら助けたい…… でも、カゲはそれを言葉にするの苦手やろ?」 俊の言葉が、暖かかった。 俺を思って、こんなに優しくしてくれる……嬉しい 「だから、な?カゲ 俺を頼って欲しいんや、会長の事忘れて……お前には幸せになって欲しい」 「……俊…」 「ちょ、ちょっと臭いセリフやったか!あはは」 自分の言葉に照れたのか、俊は両手を頭の後ろに組んで顔を赤くして大笑いする。 でも、俊の気持ちは俺には十分過ぎるくらい伝わった。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9415人が本棚に入れています
本棚に追加