諦めたい……のに…

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俊side 俯くカゲを見て俺は心の奥からどす黒い感情が芽生えるのを感じた。こんな奴等の為に、何でカゲが辛い目に合わんとあかんの? 「……カゲが、カゲがどんな気持ちであんたら見とったか分かってんか?」 「…………」 カゲは身体を小さく丸めて、俺の服を掴んどった。今は自分の感情を抑えるのに必死で周りの声が聞こえへんやろ。 「もとあと言えば、あんたが……あんたがカゲを捨てたからやろ!!」 「ちが……俺様は!」 「黙れや!カゲはあんたの事ほんま好きやったんやで?幸せそうに笑ってたんやで? 何でなん?何であんたカゲを捨てて、こんな………っ!」 悔しかった、ただ俺はカゲの笑顔が好きやった。あんな幸せそうな笑顔を作れる会長が、妬ましかったし……羨ましかったんや。 けど、こいつらはカゲの場所を奪った。カゲの唯一の居場所を……奪ったんや。 「絶対許さへん…… 二度とカゲに近寄らんといて」 俺の冷たい視線に会長は苦虫を噛み締めたような表情を浮かべた。男女は全く分かっておらんのか、俺達が寮に入るとまた騒ぎだす。 カゲ……俺がおる、俺がお前を幸せにしたるから……もう、泣かんといて……?
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