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伊豆樹side
最近、姫乃のやらかす問題には頭を悩ませている。あの子が来てから生徒同士の喧嘩、器物破損、親衛隊による暴行及び強姦事件、生徒会の仕事放棄、教師の減少等々……
正直、今すぐこの学園から去って貰いたいのが本音だ。
しかし、彼の家族がそれを許さないだろう。姫乃が生まれる前からあの夫婦は問題だった、特に兄のあの自分主義で突発的な所は一一一
「はぁ………」
甥だから、という理由でこの学園に入れたのが間違いだったのかもしれない。
でも逆らえなかった、あの家族には常識が通じないのだから一一一
「影都………」
あの子は私を唯一癒してくれる子だった。初めて生徒会の仕事で私の場所へ訪ねてきた時、あの子は凄く緊張していてへたり込んでしまったのを今でも覚えている。
自分の頭で、自分の実力でなんとかこの学園に入ってきて……仕事に責任を持っていて、一つ一つに真剣でとても努力家なあの子に……私はいつの間にか惹き付けられていた。
そして愛する者になってしまったのだ……
甥なんかよりも愛らしい、可愛らしいあの子が……いつしかかけがえのない存在となっていた。
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