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「…………」
「…って、お前何暗くなってんだよ?まさか本気だったのか?あんな奴に?」
俺の顔を見て、梅原君はビックリしたのかそんな事を聞いた。
好きだった、大好きだった……
俺は小さく、頷いた。
「………わ、悪かったよ……ちょっとからかっただけだ、お前がそんな顔するくらい本気だったなんて知らなくてよ」
罰が悪そうな顔をして梅原君は謝った。これくらいで顔に出るなんて、情けないな……俺
「まぁ入りな、ちょっとくらいは歓迎してやる」
「………ん」
荷物を持って部屋の中に入る。中は生徒会よりは狭くなったが俺としてはこっちの方が住みやすく感じた。
「ソファーに座れ、飲み物持ってきてやるよ」
梅原君の言葉に甘えて俺はソファーに座る。生徒会の部屋は一人だったから、誰かが一緒にいるのはとても新鮮に感じた。
梅原君はお湯を沸かすと紅茶とコーヒーを作り、俺の目の前に紅茶を置いた。
「それにしても……何で別れちまったんだ?噂じゃいい感じだったんだろ」
「…………」
差し出された紅茶を一口飲み、こちらを見てくる梅原君に向き直る。俺は、なんとか言葉を繋いで彼に話した。
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