会いたい……会えない……

9/26
前へ
/293ページ
次へ
影都side 翌朝、パシリになってしまった俺は料理の支度をしていた。普段から少し早起きをしていたので、成亮はまだ眠っているだろう。 コトコトと味噌汁を煮込みつつ、フライパンで目玉焼きを焼く。トースターを使ってパンを焼き、出来上がった目玉焼きはその上に乗せた。 「っあ~…かったりぃ」 料理の音で目を覚めたのか、寝癖のある頭をガシガシ掻いて成亮が起きてくる。 その時はもう大体の料理は出来上がり後は仕上げだけだった。 「ん……でき、た」 俺は料理を運び終わると成亮の向かい側に座った。すると、こっちを見てくる視線を感じる。何故か成亮が俺の事を睨み付けていた。 「……てめぇはこっちに座れ」 成亮は俺に隣に座るよう言った。向かい側で食べたら鬱陶しい、と思ったのかな…? 「……ん」 断ったら後が怖そうなので料理を移動して隣に座る。 「よし、俺のパシリになる奴は常に俺の世話もして欲しいからな!素直に言う事聞く奴は嫌いじゃないぜ」 頭をわしゃわしゃと撫でながら、ニヤリと笑う成亮。 なんだか、会ちょの姿が重なってしまった。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9415人が本棚に入れています
本棚に追加