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俊と成亮の間に入って止めに入ってきたのは、俺達より一回り大きな男だった。
銀髪のオールバックで、どことなく知的な雰囲気がある彼は赤い制服を着ている。
つまり彼は、宗くんの所の人なんだろう。
「学園で喧嘩はいけませんよ、それでもやるならば私自ら風紀副委員長として処理させてもらいます」
「………ちっ」
「ふ、副委員長やて?」
風紀委員が出て無闇に手を出すわけにはいかなくなったからか、成亮は舌打ちをした。
「さて、と……貴方が影都君だね?」
「………?」
風紀副委員長は俺の方に顔を向けるとにこやかに笑いながら話し掛けてきた。
「裕里からは聞いてます、私は斐波裕治(あやなみゆうじ)
風紀副委員長をやっています、委員長のお気に入りと聞いていたので会ってみたくなったんですよ」
副委員長、裕治さんがそう言うと俺に軽い握手をした。裕里に兄がいるとは聞いていたけど、風紀に入っていたなんて知らなかったなぁ。
「あっ、兄さん」
と、丁度そこに裕里がやってきた。兄と裕治さんを見て少し驚いているみたいだ。
「あっ、裕里!」
裕治さんは裕里に気が付くと明るい表情を浮かべて近付いた………その瞬間に裕里が裕治さんに飛び蹴りをして一一一一ってあれ?
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