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「朝から気持ち悪い顔で近寄らないでよ兄さん」
「ゆ、裕里………兄さん痛いです」
「五月蠅い黙れ、口答えするならもっと力付けて出直してよ」
蹴られた後倒れこんだ裕治さんの上に裕里は片足乗せてお兄さんの額を突く。
「大体何で兄さんが影都君の傍にいるのさ、風紀の仕事はどうしたの?」
「うぅ……いや、委員長が何時もみたいに影都君の監視してたらしくてですね……その彼が不良君に荷物持たされてるの見て暴走してしまって……
皆さんが委員長を宥めてる隙に僕がここに向かったんです」
裕治さんの話を聞いて、宗くんが暴走している姿が目に浮かぶ。………皆、お疲…れ
「成る程、じゃあ用は終わったでしょ?仕事に戻りなよ、というか消えてね今すぐに」
「ま、待って下さい!せめて……せめて影都君とお話させて欲しいです…」
「却下」
「私のミ○ゴロウのぬいぐるみ………あげますから!」
「いらないよ」
スッパリ切り捨てられて、落ち込みながら去っていく裕治さん。兄としての立場がまるでない彼が、何だか可哀想だった。
「さて、厄介払いしたし……行こうか?」
そしてまるでなかったかのように振る舞う裕里がちょっと鬼みたいだった。
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