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「お父さん!!お母さん!!」
大声で叫び、二人の身体を揺すって呼んだ。
「だめだ!毒が早く回ってしまう!!」
治療していたお医者さん達に捕まり二人から引き離されてしまう。
「お父さんとお母さんを助けて下さい!!お医者さんなら出来るんでしょ!?」
僕を掴まえていたお医者さんの袖を掴み返してお願いした。
「…だめなんだ。毒消しの薬草や薬を使ったけど殆ど効果がない。もう全身に毒が回りかけていて手遅れなんだよ…。」
思った通りだった。それでも信じたくなかった。
「そんなの嘘だ!!お父さんとお母さんが死ぬ訳ない!!お父さん!!お母さん!!」
僕は、二人を呼び続けた。
この時には既に涙がボロボロと流れ嗚咽混じりの声だった。
「…アルク。」
すると、僕の声に気が付いたのか、お父さんとお母さんが目を覚ました。
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