2人が本棚に入れています
本棚に追加
近所の料亭を予約し、約束の日に合わせて紳士服を新調し、ボサボサだった髪をポマードでキッチリ5:5に分けた。
両目とも2.0の俺だが、賢そうに見える筈だからという理由で、母から手渡された宮川大輔ばりの黒縁眼鏡を装着し、準備万端。
先に決戦の地に到着した俺達は、鹿威しが響き渡る中、時計の針を静かに凝視していた。
付き添いの母が、何故か赤のボディコンスタイルに真珠のネックレス、肩には羽根飾りを纏い、頬紅を付け過ぎたせいか軽くアンパンマンになっていて、今にも「僕の顔を食べなよ」と言いかねない。
とても目に毒だ。
相手もこんな母で大丈夫だろうか。
最初のコメントを投稿しよう!