見合い

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 近所の料亭を予約し、約束の日に合わせて紳士服を新調し、ボサボサだった髪をポマードでキッチリ5:5に分けた。  両目とも2.0の俺だが、賢そうに見える筈だからという理由で、母から手渡された宮川大輔ばりの黒縁眼鏡を装着し、準備万端。  先に決戦の地に到着した俺達は、鹿威しが響き渡る中、時計の針を静かに凝視していた。  付き添いの母が、何故か赤のボディコンスタイルに真珠のネックレス、肩には羽根飾りを纏い、頬紅を付け過ぎたせいか軽くアンパンマンになっていて、今にも「僕の顔を食べなよ」と言いかねない。  とても目に毒だ。  相手もこんな母で大丈夫だろうか。
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