転校生①

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「だ、大丈夫です。すみません」  兎に角その場しのぎで取り繕うと、立ち上がろうとした。  が、 「ククク……」  俺に足を掛けた奴だろうか。  笑いを堪えるように口元を歪め、こちらに視線を送っていた。  そしてぼそりと。 「ここからが本当の地獄だ……」  と、囁いた。  え、何が何でどう地獄?  と、思考が纏まらない内にシャキンという金属音が聞こえ、そちらを振り向く。  見ると、別の生徒が先程のヤンマガを手に取り、何やら別のページを捲っている。  まさかとは思うが……のそのまさかだった。  そいつは袋閉じをあと一切れで開かれる状態にすると、再び俺の目の前に置いたのだ。  な、何て事をする奴なんだ……!!  これでは生殺し、かといって手で裂きにいったら「お前そんなに袋閉じの中身が気になってたのかよ、ブハハwww」とか、「とんだムッツリスケベさんだな~」とか言われる事請け合いじゃないか!  しかも佳川四花・引退前ファイナルとか、何で寄りによってたまにある貴重袋閉じヌードなんだよー!  見てぇよー!  どう足掻いてでも見てぇよー!
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