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「ゴメン、もう一回言ってくれる?」
思わぬ人物の名前が出てきて、沖田は数回瞬きをしながら聞き返す。
「だから、土方歳三に会わせてと言ってるの」
やはり出てきたのは鬼の副長の名前。
土方と美少女。
二人が並んでいる所なんて、全く想像がつかない。
「娘、副長に何の用だ!?」
それまで黙っていた斎藤が問い詰める。
「ちょっと、斎藤さん。こんな小さな子にそんなキツイ言い方しなくても……」
「お前はもう少し緊張感を持て!もしかしたら何者かが副長を狙って寄越した刺客かもしれないんだぞ!!」
そんな大袈裟な……と沖田は思う。
確かに男に対して油断させるために女の刺客を仕向ける輩もいる。
しかし……
「いくら何でも、この子が刺客って事はないんじゃないですか?」
少女は刺客にするには幼過ぎた。
「それとも、斎藤さんは土方さんがこの子に負けるとでも?」
「そんなワケないだろ!!」
もちろん斎藤はそんな事思っていない。
土方の強さはよく理解している。
ただ土方に対して過保護なだけだった。
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