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娘と言われても訳の分からない土方を、とりあえず来てくれと門の外まで引きずっていく沖田。
その後ろを近藤がついて行く。
「トシの揉め事を見て見ぬ振りは出来ないからな」
と最もらしい事は言うが、結局は面白がっているのだった。
「まあ、男なんてそんなものよ。どれだけ尊敬出来る人間だって、隠し子の一人や二人はいるものよ」
三人が門へとたどり着くと、そこには少女に慰められる成人男性の姿があった。
そのあまりの異様な光景に、三人の足が止まる。
すると視線に気づいたのか、少女がくるりと土方達の方へと向いた。
そしてトタトタと走り寄ってきたかと思うと、土方を見上げる。
「貴方が土方歳三さん?」
「……あぁ」
大きな瞳に見つめられ、身動きが取れない土方。
しばらく見つめ合った後、少女は土方へと抱き着いた。
「会いたかった、お父様!!」
「はぁ!?」
見知らぬ少女に父と呼ばれ抱き着かれ、土方は思考が停止した。
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