少女の名は小鈴

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近藤は少女を局長室へと通し、暫く誰も部屋に近づかないように手配した。 部屋の中には、少女と土方、それに沖田と斎藤と近藤の五人だけだった。 少女と近藤が向き合う形で座り、近藤の少し後ろに土方が座ってそっぽを向いている。 沖田と斎藤は三人から少し離れた所に座っていた。 ちなみに、斎藤はまだ放心状態だ。 「では、君の名前から聞こうか」 「……私の名前は小鈴と言います。つい先日、京に来ました」 幼い子供とは思えないくらい、しっかりしている。 「年は?」 「五つになります」 「本当にトシの娘なのかな?」 「はい。お父様、おしずって名前の女は覚えてらっしゃいますか?」 小鈴は視線を近藤の後ろ、土方へと向ける。 「……あぁ。何度か寝たな」 「おい、トシ!!子供の前で何て事言うんだ!?」 あまりにも遠慮を知らない土方を窘める近藤。 「小鈴ちゃんが五つって事は……あぁ、思いっきり遊んでた時代ですね」 話を聞いていた沖田は、土方の昔の素行を思い出しながら口を挟む。 「えぇ、その数度の逢瀬で出来たのが私です」 ゴホンッ 冷静に答える小鈴にいたたまれなくなり、近藤は咳ばらいをする。
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